『ヒートショック!』交通事故死の約2倍!?冬の入浴時は特に注意を!
冬の寒さによる健康被害のひとつにヒートショックがあります。
これは、急激な温度変化で血管が収縮または拡張することでおこります。そして、入浴中が最も多いようです。
入浴時、頭がくらくらすると感じたことはありませんか?入浴中に意識を失い、そのまま浴槽内で溺れて亡くなる不慮の事故が増えています。特に65歳以上の高齢者や基礎疾患を持つ方にとってリスクが高く、毎年11月から4月にかけて多く発生しています。厚生労働省人口動態統計(令和3年)によると、高齢者の浴槽内での不慮の溺死及び溺水の死亡者数は4,750人で、交通事故死亡者数2,150人のおよそ2倍となっており、近年その危険性が注目されています。※消費者庁「無理せず対策 高齢者の不慮の事故」(令和4年12月)
【ヒートショックの主な原因】
ヒートショックの主な原因は、急激な温度変化によって血管が収縮または拡張することにあります。例えば、寒い部屋から温かいお風呂に入ると、体温の急激な上昇により血管が急速に拡張します。この時、血圧が急激に低下することがあり、立ち上がった瞬間にめまいや失神を引き起こすことがあります。逆に、暖かい場所から急に寒い場所に出ると、血管が収縮し血圧が急上昇することがあり、これも心臓や脳への負担となります。さらにヒートショックが引き起こすリスクは、血圧の急激な変動だけにとどまりません。急激な温度変化により、心臓にかかる負担が増加し、心筋梗塞や脳卒中を引き起こす危険性が高まります。また、寒い環境下では筋肉が硬直し、関節や骨に無理な負担がかかるため、転倒やそれに伴う骨折のリスクも増加します。
【ヒートショックを防ぐための対策】
ヒートショックを予防するためには、以下のような対策が有効です。
1. 温度差を減らす
急激な温度変化を避けるため、室内温度の差をできるだけ小さく保つことが大切です。特に浴室、脱衣所やトイレの温度は冬場に冷え込みやすいため、断熱改修をしたり、暖房を使用するなどして室温を調整することが推奨されます。
2. ゆっくりと体を慣らす
急に暖かい場所や寒い場所を移動するのは避け、体をゆっくりと環境に慣らすことが重要です。お風呂に入る前には、浴室暖房機をつけて室内を事前に暖めておくと効果的。浴室に数分間入り、体温を徐々に上げることで、血管の急激な拡張を防ぎます。
3. お湯の温度は41℃以下、お湯につかるのは10分まで
お風呂に入る際は、温度を38℃から40℃程度に設定し、急激に熱いお湯に入らないようにしましょう。長時間の入浴は避け、適度な時間で上がることも大切です。湯につかる時間は10分までを目安にしましょう。
4. 浴槽から急に立ち上がらない
入浴中は体に水圧がかかっています。その状態から急に立ち上がると圧迫されていた血管は一気に拡張し、脳が貧血状態となって意識を失ってしまうことがあります。めまいや立ちくらみを起こしたことがある方は特に要注意。浴槽から出るときは、手すりや浴槽のヘリを使って、ゆっくりと立ち上がりましょう。
ヒートショックは、急激な温度変化が引き起こす健康リスクであり、特に冬の寒さの中で発生しやすい現象です。温度管理には特に注意を払い、体への負担を軽減しながら、不慮の事故に遭わないように予防していきましょう。また、多くの熱は窓から外へ逃げていきます。窓の断熱を強化する事で、暖房費を削減しながら室温を安定させ、快適で安全な生活空間を維持する事ができます。寒暖差による健康リスクを軽減するためにも、断熱窓の導入をご検討いただけますと幸いです。